親子交流とは

 親子交流とは、離婚後に子どもと離れて暮らす親が、子どもと交流する機会のことをいいます。以前は「面会交流」と呼ばれていましたが、現在は「親子交流」という呼称が使われるようになっています。

 親子交流は、子どもの健全な成長のために重要なものとして法律上も保障されています。

法改正で何が変わったの?

 名称が「面会交流」から「親子交流」に変わりました。
 また、祖父母の親子交流が認められる余地が増えました。

 それ以外には、特にテコ入れはされていません。予算を大幅に増やすとか家庭裁判所の人員を大きく増やすということも行われていません。
 この法改正の内容からすれば、政府としては共同親権制度を導入したことをきっかけに親子交流の拡充をさせたいという意思はあまり感じられません。
 そのため、従来の運用が維持される可能性が高いように感じています。

共同親権が導入されたのに、親子交流について変更がないのはおかしくないですか?

 はい。そのとおりです。

 共同親権制度を導入しながら、親子交流の実効性を確保するための仕組みが十分に整備されていないという点は、法改正に対する批判としてよく挙げられています。

 共同親権になっても、別居親が子どもと実際に会えるかどうかは、結局のところ監護親の協力次第という面が残っています。親子交流を拒否された場合の間接強制なども、実務上なかなか機能しにくいのが現状です。

 今後、運用の積み重ねや更なる法改正によって、親子交流の実効性が高まることが期待されますが、現時点では従来の課題が残ったままといえます。

 当事務所では、こうした実務上の課題も踏まえながら、依頼者の方にとって最善の解決策をご提案します。

親子交流の取り決め方

 親子交流の方法・頻度・時間などは、まず父母の話し合いで決めます。
 話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所の調停・審判で決めることになります。

 取り決める内容としては以下のものがあります。

  • 連絡方法(電話・LINEなど)
  • 交流の頻度(月1回・隔週など)
  • 交流の時間・場所
  • 宿泊の有無
  • 学校行事への参加

【重要】共同親権と親子交流は別問題です

 共同親権制度の導入により「共同親権になれば自由に会える」という誤解が広まっていますが、これは正しくありません。

 親子交流は共同親権・単独親権にかかわらず、別途取り決めが必要です。共同親権を選択したからといって、自動的に親子交流の頻度が増えるわけではありません。

親子交流が制限されるケース

 子どもの安全や健全な成長のために必要な場合、親子交流が制限されることがあります。

  • DVや虐待がある場合
  • 子どもが強く拒否している場合
  • 親子交流によって子どもの生活環境が著しく乱される場合

 このような場合、第三者機関を通じた交流や、監護親が同席する形での交流が認められることがあります。
 葛藤が非常に強い場合には、テレビ電話だけにして直接の対面をしないケースや、子の写真や動画を送付するだけにする間接交流という方法もあり得ます。

親子交流を拒否された場合

 監護親が正当な理由なく親子交流を拒否している場合、以下の対応が可能です。

  • 家庭裁判所への調停申立
  • 審判による親子交流の強制(間接強制)
  • 親権・監護権の変更申立

 ただし強制的な親子交流の実現は実務上難しい面もあります。まずは弁護士にご相談ください。

親子交流をめぐるトラブル

 親子交流は離婚後も継続的に問題になりやすい分野です。以下のようなトラブルがよくあります。

  • 取り決めた親子交流を相手が守らない
  • 子どもが会いたがらないと言って拒否される
  • 親子交流の際に相手が子どもに悪影響を与えている
  • 子どもの都合で急にキャンセルされる

 こうしたトラブルが生じた場合は早めにご相談ください。

 親子交流がうまくいかないときのアドバイス

 別居親の方から「相手が子どもに会わせてくれない」というご相談は非常に多いです。そのような状況では、相手への怒りや不満が募るのは当然のことです。

 しかし、親子交流の調停においても、相手への不満や批判を前面に出せば出すほど、同居親は頑なになり、かえって解決が遠のいてしまうことがよくあります。

 太陽と北風の寓話から考える

 イソップ寓話の「太陽と北風」をご存知でしょうか。旅人のコートを脱がせようと、北風は強く吹きつけますが旅人はコートをしっかり押さえてしまいます。一方、太陽が温かく照らすと旅人は自らコートを脱ぎます。

 親子交流も同じです。相手を攻撃し、批判すればするほど、同居親は子どもを守ろうとしてより頑なになります。

 特に、お子様が小さいうちは、同居親の協力なしに親子交流をすることはできません。
 高葛藤状態のまま親子交流をすることは現実的ではないのです。

 大切なのは、まず相手との葛藤状態を和らげることです。相手を責めるのではなく、「子どもにとって何が一番良いか」という共通の視点に立つことで、親子交流がスムーズに進むケースも多くあります。

 もちろん、気持ちの上では難しいことも十分わかっています。だからこそ、弁護士が間に入って冷静に交渉を進めることが重要なのです。

高葛藤状態の緩和から離婚自体を回避できたケース

 依頼者様は、別居した妻から離婚調停を申立てられました。

 初めてご相談にいらっしゃったとき、「いきなり子に会えなくされた」「連れ去りだ」と、怒りで頭がいっぱいの状態でした。

 そこで当職は、太陽と北風の寓話を引用しながら、まず妻との葛藤状態を和らげることを優先するようアドバイスしました。

 離婚調停では、妻への不満を口にするのではなく、これまでの感謝を伝えながら復縁を希望する姿勢を貫きました。並行して親子交流調停も申立て、月1回の親子交流を丁寧に重ねていきました。

 すると、当初は頑なだった妻の態度が徐々に軟化し、夏休みやお正月には宿泊付きの親子交流も実現しました。

 離婚調停から1年以上が経過したころ、相手方の弁護士から「妻が復縁を希望するため離婚調停を取り下げます」という連絡書と調停の取下書が届きました。

 妻の行為を責めず、妻の不満を受け入れるという依頼者様の姿勢が、妻の頑なだった心を和らげたのです。
 

まずはご相談ください

 「親子交流の条件をどう決めればいいか」「相手が親子交流を拒否している」などのお悩みはまずはお気軽にご相談ください。

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